今世紀最高コミカライズであるジムシャニの、各シーンの元ネタをまとめてみた
こんにちは、たくや(最近一周回って逆にブロリーのMADとか見てる)です。
この記事は298production Advent Calendar 2023の7日目の記事です。
前回の記事はこちらです。
冊子の時も思っていましたがほんさんの文章は熱量があるのに読みやすくていいですね。お前はアドカレの柱になれ。
3Dライブをやるリアルイベント、最近ちょくちょく見ますね。
シャニマスではまだ行われてないんですがどうなんでしょう。試みとしては非常に面白いと思います。
さて、皆さんは『アイドルマスター シャイニーカラーズ 事務的光空記録』をご存知ですか?
事務的光空記録(通称ジムシャニ)とは今年の10月21日から連載が開始したシャニマスのコミカライズ作品で、漫画家の夜出偶太郎さんが担当しています。
裏方にも焦点が当たることが多いシャニマスですので、はづきさんを主人公にしたコミカライズとは考えたな…。といった印象でしたが、実際のところはづき・社長関連の話題はかなり複雑に関係性、感情の矢印が入り組んでいる部分ですので、発表された時はそこに対する細かい不安がありました。
では実際の内容はどうだったんでしょうか…?
ジムシャニは…
えっとぉ…
うーんとねぇ…
正直なところ言うと…
良すぎ良すぎ良すぎ良すぎ良すぎ良すぎ良
ヤバすぎヤバすぎヤバすぎヤバすぎヤバす
面白すぎ面白すぎ面白すぎ面白すぎ面白す
助けて助けて助けて助けて助けて助けて助
た…す…けて…
死…
はっ…!
危ない危ない…。最近のカードでかなり自分に刺さった【Kn☆cking. Kn☆cking.】のフェスイラスト「エキサイティーンコレクション」園田智代子を見ることで奇跡の復活を遂げました…。
いやー良すぎでしたねジムシャニ…。
裏方シナリオ特有の澄んだ空気感、原作のコミュを読んでいるかのように的確な言い回し、漫画としての起承転結の面白さ。そしてなんといっても一話を読んだだけで「作者…シャニマスが好きだな!?」と伝わってくる細かい表現の数々。
シャニマスの入門書としても勧められるくらい新規の人にも分かりやすい内容になっていながらも、最近のコミュの空気感が反映されているなぁというのが伝わってくる、愛のあるコミカライズでした。
そこで今回は新規の方でも120%このジムシャニを楽しめるように、「ジムシャニ内にある原作のネタ集」をまとめようと思いました。
「これって原作にあった話なの?」とか「この衣装はどの衣装?」ということを自分の調べられる範囲で調べてきましたので、皆様に紹介したいと思います。
新規の方でも読みやすいように有名なネタから細かいネタまで拾っていますが、特に2話の辺りはニッチな話もだいぶ含まれています。
それにあたってジムシャニ本編の画像を一部使用している箇所があります…。少し問題があるかなとも思ったのですが、とりあえずXにあげている画像だったらいいかなということで一話・二話・三話の冒頭の画像を使用しています。問題があれば消します…
まだジムシャニを読んだことがないという人は是非この機会に読んでみて下さい。
- 第一話 1st page : A day in the life
- 第二話 2nd page : sugarcube
- 第三話 Little sister, the sky is falling…
- 終わりに
第一話 1st page : A day in the life
『アイドル』それは女の子たちの永遠の憧れ
ここの一連のポエムは765プロのシリーズで最初の画面に表示されるものですね。
シャニマスでも初回起動時に同様の文章が流れます。
お土産
別にシャニマスに関係あるわけではないですが、恐らくこれは北海道の代表的なお土産である「じゃがポックル」ですね。
選んでよ!
このセリフと衣装はGR@DATE WING03で登場した「ブライクシリーズ」の衣装ですね。この衣装(というか三年目のCDシリーズの2~5に関して)は個人個人に名前が振られていて、恋鐘のこの衣装は「ルーラーブライク」という衣装名です。
この「選んでよ!」というセリフは同CDのB面の楽曲「純白トロイメライ」からとられています。
また、原作のシナリオ内で「283プロ内では特にアンティーカが売れている」という書かれ方がよくされているので、それがここでもリスペクトされていますね
領収書
この領収書のシーンのくだりは樹里・千雪・冬優子・透という順番でアイドルが領収書を渡しに来ます。
面子の選出理由ははっきりとはわかりませんが、千雪ははづきと仲がいい(詳しくは後述します)から、他の面子はまあユニットのしっかり者・リーダーとかでしょうか?
しかしここで千雪と樹里が並んで領収書関連の話題を出しているのを見ると「明るい部屋」の買い出しのシーンを思い出さずにはいられないですね。意識している可能性も高いかもしれません。
衣装紹介はデフォルトなので割愛します。
イルミネの私服①
このシーンでの三人の私服は、真乃がPカード「一番星の魔法」、灯織がPカード「マフラー直して、心は解けて」、めぐるがSカード「風野署長の一日勤務回想録」の衣装です。それぞれの服で上着を脱いでいるので少し分かりづらいですね。
イルミネの私服②
このシーンでの三人の私服は、真乃がSカード「WtoW」、灯織がPカード「足りない隙間」、めぐるがPカード「ハロー・ワールド」の衣装です。ちなみにめぐるの胸元にはPELUCHEと書いてあります。フランス語で(クマの)ぬいぐるみという意味です。
消防士の人形
これははづきの父がはづき自身にドレスの人形ではなく消防士の人形を買ってきたというシーンですね。
これは「明るい部屋」の第5(?)話で同様の話があります…というかここが明るい部屋の、ひいてははづきの根幹にかかわる重要なシーンですね。
ドレスの人形(アイドル)ではなく消防士(アイドルを助ける裏方)の人形を受け取るというのがはづきの将来の暗喩になっていたわけですね。
原作では、消防士の人形を受け取ったことを思い出しつつ「そういうことがやりたいみたい お父さん…」と言うシーンになっているのですが、ジムシャニでは「このころからうっすら分かっていたそういう星の元にいることを」という風に表現したのはとても秀逸で面白く、シャニマス成分も十分に出てますね。神とさせてください。
原作では上記のように、消防士のことを思い出す→雑務をはじめる→「そういうことがやりたいみたい」という展開になっています。これはジムシャニのこの後の展開とも一致していますね。
ちなみにこのシーンの円陣は「輝きを皆に届けよう イルミネーションスターズ!」というイルミネと言えば!の円陣の再現になっています。
イルミネステージ衣装
こちらは「アステレスオーロライズ」という衣装で、L@YERED WING02の衣装です。
布の部分を羽衣のようにまとう着こなし方(?)もジャケットをリスペクトしていますね。
ソファーの裏はづきさん
はづきさんがプロデューサーの場所からは見えない位置で寝てしまっていますね
これはWING編の最初のシーンのオマージュです。
最後の一コマ
このシーンの構図は、シャニマスでログインした時の画面をオマージュしていると考えられます。
第二話 2nd page : sugarcube
身体を駆け巡るのは、透明
こちらのCMはPカード「途方もない午後」浅倉透のイラストを意識していますね。
ノクチルの私服
このシーンでの四人の私服は、左から小糸がPカード「はれのひ喫茶店」、円香がPカード「バグ・ル」、雛菜がPカード「S!GNATURE」、透がPカード「まわるものについて」の衣装です。先ほどと同様に上着や帽子・髪型が違ったりします。
ノクチルのデビュー
えっと…このシーンは誇張抜きで全く原作と同じですね…。「天塵」というイベントコミュです。
このシーンだけだと何が起きているのかよく分からないかもしれないですが、簡単に整理すると「ノクチルのテレビ出演が決まって練習に励む」→「実際は現地で口パクだけと言われたし透以外の三人がほとんど画面に映らない上に小糸を馬鹿にされる」→「キレた透が口パクをせずにほたるこいを歌う」というシーンですね…。悲しいくらい原作通りです。
結構勘違いされがちなのですが、透は感情表出が乏しいだけで感情自体は豊かです。このシーンでも透が番組に対してかなりキレているのがじっくり読み解いていくと分かるんですが、ジムシャニの方では顔に入っている影で怒りを表していますね。上手い!
ジャージの映り込み
これは透のGRAD編のシナリオの話ですね。
有名なDJの写真に透が映り込んだことで「誰だこの顔の良すぎる赤ジャーは」ということでプチバズリしました。
上記の話でノクチル自身は干され気味だったのですが、透がこのことで話題になったことを皮切りに(というわけでも無いがノクチルの転換点ではあると考察している)ノクチルが人気になっていく、という流れになっています。
アイドル界において、「浅倉透は何もしなくても勝手に人気になる『捕食者』である」ということを印象付ける重要なシーンでした。
ノクチルの在り方
ここのシーンは明確にどこが元ネタ…というのがあるわけではないんですが、最近のノクチルのコミュの流れをよく表していますね。
天塵の段階では干されるまで行った「自分勝手なふるまい」を今や世間は「刺激的なあり方」として認め、そのロックさをノクチルは求められている…。というような話が「さざなみはいつも凡庸な音がする」以降の話です。
ここだけ聞くと好意的な流れのように聞こえますが、実際は「幼馴染の透明さ」のようなあり方をアイドルの商品として消費されていることの重みや周囲の無責任さ、「何にも縛られないあり方」という周囲からの期待に縛られているという矛盾のようなものがメインで描かれています。それに彼女たちもそれぞれでアイドルとしてのプロ意識や目標のようなものが出始めていて、そこの辺りとも不和が生じている、というような感じですね。
まあ長くなりましたが、このノクチルと周囲の反応というのは最近のコミュが踏襲されているということです。
棚に並ぶときはみんな「アイドル」じゃん
えっとここのシーンも元ネタを回収しようと思ったのですが、シャニマスのCDジャケットじゃなかったことやあまりに量が多かったことから断念しました。
いやーてかこのシーンめっちゃいいですよね、よくこんなにちかっぽいセリフかけるなぁと。
ジムシャニは今のところにちかの顔を描いていないのが非常にいいですよね、「にちかはアイドルの世界に生きる人間ではなくて、本来物語においてはただのモブに過ぎない」というようなシャニマスの哲学を大事にしている伏線の貼り方でとっても好印象です。
パカッ
このシーンはシャニマスのゲーム部分の目押し要素を引用しています。面白くていいですね。
マンモスグミ
このシーンはノクチルあるあるの謎のマンモス推しのシーンですね。
多分初出はホーム画面での会話だと思うのですが、透が「マンモスクン」という謎のキャラに言及したことでこれまで謎のこすられ方をしてきました。
実はこういう時に案外ちょけるというのは樋口円香の地味な詳しぶりポイントですね。周りのPに差をつけろ!
バン!ドン!ズン!
このシーンの四人の私服は、左から果穂がPカード「新装備・バブルバスター!」、あさひがデフォルト制服、甜花がPカード「四夜一夜物語」、咲耶がデフォルト制服上着付き(しいて言うならPカード「雪染めロマンティカ」)の衣装です。
ちなみにこのページの後に円香が超高速で走り出しますが、円香はめちゃくちゃ虫が苦手だからですね。
特別なことなんてないですよ、本当に
このシーンはちょっと断定が出来ないんですが、右に関しては七草父が亡くなったシーンか七草母をお見舞いに行っているシーンだと考えられます。
ここでは言及されていないですが、はづきの母はなくなっているわけではなく、病院で入院生活をしていると「♡まっクろはムウサぎ♡」七草にちかで明らかにされています。
左のシーンに関してははづきが働き始めたシーンですね。「セヴン#ス」ではづきは、幼少期のにちかにはできるだけ負担をかけさせたくなかった…というような話をするシーンがあります。
じゃんけん
実はこのシーンにも元ネタというか小ネタがあります。円香のモーニングコミュで円香とじゃんけんをするという謎のコミュがあるのですが、そこでも円香がパーを出します。ちなみそこで「ぐー」を選んだ場合円香が勝ってパーフェクトコミュニケーションになります。
ぎゅいーん
これはゲーム内のシーンではなくリアルイベントのライブである「5thライブ If I Wings」の一幕のオマージュですね。
そのライブでは各ユニットに一つ特殊な演出が用意されていて、ノクチルの場合は突然初公開衣装の「ノクチル制服」でキャストが登場し、ほうきや定規や机でエアバンドをするというものでした。非常に印象的だったので、このシーンですぐに分かった方も多いのではないでしょうか。
こちらの2分20秒くらいからです。
ごみを投げる
ここは第二話のラストシーンで、透がインタビューに答えるコマの横ではづきがごみをゴミ箱に投げ入れるというシーンなのですが、透のWING編シナリオの準決勝前コミュのオマージュになっています。
透のWING準決勝では、透が持っていたごみを投げて、ごみ箱に入ったら勝つというような話をシャニPとしているシーンでした。そのごみは外れてしまうのですが、また透がそれを拾ってきて「入るまでやる で、勝つから」と言う、胸アツなシーンでしたね。
第三話 Little sister, the sky is falling…
正社員
このシーンは天井社長がはづきに正社員雇用の打診をするシーンですね。
確かはづきがアルバイトであるということが分かったのは「明るい部屋」のコミュ内だったかどっかのキャラ紹介だったかと思います。
ここで新事実なのですが、七草父は283プロの社長の天井努と親友だったんですね。
これも初出は「明るい部屋」で、「セヴン#ス」の情報と統合すると、七草父は凄腕の弁護士で天井社長のプロデュース業をサポートしていたみたいです。現在は(記憶が正しければ)過労で亡くなっていますが…。
このようなやり取りがあったというのは原作にはなかったので、ジムシャニオリジナルですね。この後にある、大崎姉妹に甘える千雪をすごいと言う描写から、純粋に天井社長に甘えられないというような感情が表れているんでしょうか。
多分ですが、これは「シャニP⇔にちか」の関係性と「天井社長⇔はづき」の関係性を類比的に描こうとしているのだと思います。シャニPも天井社長も「親代わり」としての役割を自分に与え、それが拒否されるという流れが一致しています。
華金
はづきさんと千雪が居酒屋で飲もうとするシーンです。この居酒屋はシャニマスの背景で用意されている居酒屋と同じレイアウトですね、「たいのめ」という店名も多分初出ですね。
「はづきさんと千雪は仲いいんだ!どういう接点で仲良くなったの?」というのが初見の方は気になるかもしれませんが、そんなのこっちが聞きたいですよ!
激ヤバコミュである「薄桃色にこんがらがって」で唐突に親密にサシ飲みをする二人が出てきました。たしかに「サマーミーツワンダーランド」というコミュでも妙な湿度を以てはづきさんを呼び捨てにする千雪が出てきたには出てきたんですが、どういう関係性なんでしょう…。最近ははづきが千雪の一個下ということも明らかになりましたね。狂う^~
前述の「薄桃色にこんがらがって」で千雪とはづきさんが飲むシーンは非常に印象的なシーンですから、やはりアルストが出るとなったらこのシーンだよねっ!って感じです。
ちなみにここの千雪の衣装はPカード「はるかぜまち、1番地」の衣装です。
うまストロメリア
Sカード「満開、うまストロメリア」大崎甜花です。これ以上の説明も何もありません…。
お姉さんやらなきゃ~、とか
このシーンはおそらく、ざっくりとイベントコミュ「満開、アルストロメリア流幸福論 つなぐ・まごころ・みっつ」の話をしていると考えられます。
そこでも千雪が二人に遠慮してしまってお互いにぎくしゃくしてしまう…。というようなコミュの内容でした。
そのコミュの終盤で語られる「私、大人なのに…」というようなセリフはここでも同様のものが出ていますし、そこが激やばコミュ「薄桃色にこんがらがって」に繋がるんですね。
甘奈と甜花
えーっとぉ…。あれですねぇ、ここは「薄桃色にこんがらがって」のラストシーンを意識したものですね。私は未だに薄桃色に脳を焼かれ続けている手合いなので、ちょっとこのシーンを見ただけでお涙ちょちょ切れちゃいましたが、ともかく今のアルストの三人の関係性を説明するうえで欠かせないワンシーンであることは間違いありません。
詳しくこのシーンの説明はしないので、とりあえずまだ読んでいない方は読んでみてください。
終わりに
とりあえずざっと元ネタを洗ってみましたが、いかがでしたでしょうか。
いやーやっぱいいですねジムシャニは。今まで積み上げられてきたアイドル達の思い出を分かりやすく、それでいてセンセーショナルに描いています。
繰り返しになりますが、これをシャニマスの入門書にするのがいいんじゃないでしょうか。これが面白いと思うなら、(まあちょっと長いし考察が複雑だけど)原作シャニマスのコミュを読んでみるのもいかがでしょうか。
さて明日のアドカレが空いていますが、いったいどうなるのでしょうか。楽しみに待っておきます。